部屋の額縁
ワンフロア180㎡の1住戸を2住戸に分け、大学の海外教員用のサービスアパートメントとしたリノベーション。どのようなが家族が住んでも、その人なりの「部屋の額縁」として生活が美しく縁どられる。









Framing the Room
部屋の額縁
種別
リノベーション
用途
集合住宅
延床面積
190
㎡
写真
楠瀬友将
早稲田大学が所有する海外教員とその家族のための、中・短期滞在用サービスアパートメントである。建物の最上階に位置し、もともとはオーナー住戸として一体で使われていたフロアを、今回のリノベーションで2住戸に分割した。外壁やサッシには手を触れず、内装とバルコニーの植栽のやりかえのみのシンプルな改修である。特定の住人像を想定しにくい住まいだからこそ、誰がどの国からやってきても、異国での一時的な暮らしや研究の日々を自分なりに編みなおせる、できるだけ普遍的な住まいの器であることを目指した。
奥の部屋の額縁
家に帰ったときにまず目にする玄関と居間のあいだの扉、そして一番長く過ごす居間と寝室のあいだの扉は、隣の部屋の風景を切り取る「額縁」のように扱った。厚みのある木のフレームで枠とガラス框扉をかたちづくることで、扉を開け放っていても閉じていても、向こう側の部屋の光や家具のある風景、さらにその奥のバルコニーの緑が一枚の画として立ち上がる。扉枠の断面は通常の枠形状ではなく、正方形を45度回転させた菱形断面としている。光が当たると稜線にはっきりと陰影が生まれ、隣室への開口がより額縁的な存在として浮かび上がる。
この部屋の額縁
居間では、既存のRCスラブの下にロの字型に大きな木のフレームをぐるりとまわしている。これも断面を、正方形を45度回転させた菱形を二つ合わせた形状とし、その中央の窪みに、上向きには天井に向けた間接照明を、下向きにはライティングレールを回している。天井からわずかに浮いたこのフレームは、部屋のスケールに引き直されたもう一つの架構として、居間の輪郭だけを描き出す。この木フレームの上に、照明に照らされた光のフレームが重なり、部屋をやわらかく縁取る。
立ち上がる扉まわりの額縁と、居間の天井に浮かぶ額縁とが呼応することで、細かく仕切られたプランのなかにも、ひと続きの奥行きとリズムが生まれる。どのような生活のスタイルや持ち物が持ち込まれても、そこに立ち上がる風景をそっと受けとめ、その人なりの「部屋の額縁」として生活が美しく縁どられることを願っている。
奥の部屋の額縁
家に帰ったときにまず目にする玄関と居間のあいだの扉、そして一番長く過ごす居間と寝室のあいだの扉は、隣の部屋の風景を切り取る「額縁」のように扱った。厚みのある木のフレームで枠とガラス框扉をかたちづくることで、扉を開け放っていても閉じていても、向こう側の部屋の光や家具のある風景、さらにその奥のバルコニーの緑が一枚の画として立ち上がる。扉枠の断面は通常の枠形状ではなく、正方形を45度回転させた菱形断面としている。光が当たると稜線にはっきりと陰影が生まれ、隣室への開口がより額縁的な存在として浮かび上がる。
この部屋の額縁
居間では、既存のRCスラブの下にロの字型に大きな木のフレームをぐるりとまわしている。これも断面を、正方形を45度回転させた菱形を二つ合わせた形状とし、その中央の窪みに、上向きには天井に向けた間接照明を、下向きにはライティングレールを回している。天井からわずかに浮いたこのフレームは、部屋のスケールに引き直されたもう一つの架構として、居間の輪郭だけを描き出す。この木フレームの上に、照明に照らされた光のフレームが重なり、部屋をやわらかく縁取る。
立ち上がる扉まわりの額縁と、居間の天井に浮かぶ額縁とが呼応することで、細かく仕切られたプランのなかにも、ひと続きの奥行きとリズムが生まれる。どのような生活のスタイルや持ち物が持ち込まれても、そこに立ち上がる風景をそっと受けとめ、その人なりの「部屋の額縁」として生活が美しく縁どられることを願っている。
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